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「江中ってガラスで出来ているんだけど、そのガラスが強化プラスチックみたいだなあ」とひとに言われた時、かつて会社員時代に、ある男の人の背中に抱きつきたい衝動に駆られて、その背中と私の間に迷路のような幾重にも重なった壁が見えたことがあったのを思い出しました。

ちょうどアトリエのスタッフが「暗闇に、ボヤっと浮き出る絵があっても良いなあ」と言っていたので、それらを一体にして創ってみたのが『閉じ込められても、閉じ込められても』です。アトリエの同僚、言葉の魔術師、石倉真理さんの命名です。「逆もまた真なり」と思い、決めました。

真ん中のか細い花と、その上の小さな女の人が真の私です。錠をもってる、その錠は幾重にも重なったガラスの扉の錠です。ですからこの作品は真ん中から創っていきました。周りにはこう思われているんじゃないか、ああ思われているんじゃないかと思いを巡らせて貼っていくうちにどんどん膨らんでいって、最後は核爆発になってしまいました。

ですから、これは自分の思っている自己ではなく、他人から見た「自画像」なのです。

『そっとのぞいてみてごらん』は、たまたま家にそうめんが入っていた箱を見つけ、コラージュしてみようと思って創りました。

表紙に、覗いている写真があったので、蝶番をつけてもらって、開閉できるようにしました。

失敗したと思ったのが、バラのハートを立体的にすれば良かったなというところです。でも丁度メンバーの佐藤君からもらった天使の剣士があったのでそこから現れるような、からくり箱にしようと思い立ちました。四苦八苦の末、糸で引っ張るようにし、取っ手を持って、ふたを開けると剣士が出て、さらに引っ張ると剣士の裏の佐藤君からもらった悪魔が出て、ハートが出る、という仕掛けになりました。佐藤君とのコラボの作品になりました。

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