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作者一覧 心のアート展

東京足立病院に入院した時、主治医の先生から、火曜〈造形教室〉があることを知らされ、病棟から毎回通い始めました。初めは何もかも思い通りには行かなかった。病院内に、もの造りの専用の部屋があり、そこでは、絵、版画、彫刻、手作り本など、いろんな創作に取り組んでいる“病棟の中の異時空間”にまず興味、刺激を受け、油絵を描き始めました。もともと細かい手仕事にじっくり取り組むことが性に合い、画用紙に手彩色して、細かいピースに切り刻み、緻密に張り込み、約2ヶ月間。〈造形教室〉の無い日も、出かけては連日集中して創り続け、〈富士山図〉のペーパー・モザイクを仕上げました。同病棟から〈造形教室〉で制作を続ける同僚の人たちの幻想画、抽象画、木版画とともに私の第2作、糸張り絵も、病棟に繋がる廊下に、次々に飾り、張り出し、壁全体がちょっとしたギャラリーのようになりました。〈造形教室〉担当の安彦先生の提案で〈A・Aギャラリー〉(足立病院・アルコール病棟の頭文字)と名づけ、その看板も同僚が厚杉材を浮彫してくれました。入院生活、通院生活の中で、そこは日常生活の中から逸脱、自分を取り戻す“こもり”のオアシスの空気が漂っています。

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