これまでの展覧会

作者一覧 心のアート展

初めての精神科病院の入院(1995年)から、もう20年以上経つが、僕は時々、気ままに描いている。いろいろなものをキャッチしやすい僕は、自分の中に取り込んだものを、時々、処理し切れなくなる。僕が獲得した手段の中に「描くこと」がある。気分が高い時、インスピレーションがあふれた時、描かずにはいられない衝動に突き動かされるとき、理屈じゃない何かを自分の内奥から出したくて、表現したいから描く。描きたいものがある時もあるが、出し始めてから展開していくこともある。描いたものが次のものを導いていく。僕は一気に描き上げることがほとんどだった。高揚した気分のままエネルギーを一気に放出する。描くことで、僕はバランスを取っているみたいだ。楽になれる。

ある時、友人に時間をかけて、少しずつ描いていった作品を観てみたいと言われ、やってみた。それが、この『いのち』である。制作は、2016年6月、7月の約2か月間。僕は長い画用紙の上に座り、時に寝そべり、汗をたらしながら、その時の自分の生のエネルギーを出していった。表現していった。この作品は、言うなれば、僕だ。僕の「いのち」だ。僕の世界観も入っている。『いのち』には、生きることへの讃歌、祈り、感謝、欲望、歓び、喜び、悲しみ、苦しみなどの日常の想いや、過去・未来への思いを描き込めて、それらを昇華(しょうか)させようとした。

 

欲望いっぱいの「いのち」。

宇宙の中で生きる存在としての「いのち」。

自然の中で生かされる「いのち」。

美しく輝く「いのち」。

「いのち」の躍動。

色も輝きも闇の表れ方も違うけど、僕は僕の

「いのち」を生きている‼

そして、いま、あなたの「いのち」と出合っている。

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