「『人質シリーズ』について」
フォートリエとう画家が、ある人質事件から触発され描かれた「人質シリーズ」は、僕の造形にも影響を与えることになる。
以前、「反核」や「反戦」をテーマに絵画連作を発表したが、ISのテロリストの犠牲に日本人ジャーナリストが殺害されたすぐ後、僕は「反テロ」シリーズをテーマとして創作している。
世界中の閉塞感のなか、人種や宗教で人間を排斥させてはいけない。リーダーと呼ばれている人が、偏見を権力に取り込むのなら、僕たちは非暴力のガンディーの思想に多くの真理をみるはずだ。だから芸術家はコマーシャル権力や政治ポピュラー権力に対し、文化の力で抵抗しなければならない。己の立身出世は、芸術家は拒むべきだ。芸術とは物質的な利益の追求ではない。ましてや、幸福の追求なら、芸術家にならない方がよい。苦しむことこそ、最大の芸術家の仕事だから。