「制作の背景について」
山田病院では、月に2回デイケアのプログラムとして絵画の時間が設けられております。私がこの絵画プログラムの担当講師として関わらせていただくようになったのは2001年の6月からですが、それから14年間、プログラム開始直前にその日のテーマを発表するというスタイルをとっております。近頃は、発表されるテーマを予想し、フライング制作(ほめ言葉です!)をしてくれるメンバーさんもちらほら。
「心のアート展」に関しましては、第4回展の時に初めて参加をさせていただき、その時は真っ黒なキャンバスに、色とりどりのポスカで、日々皆で落書きを描き重ね、ひとつの作品としました。そして今回は、下地作りからやろう!ということで、まずは前回の作品を白ペンキで塗りつぶし、真っ白な状態からスタートしました。
絵画プログラムでは毎回仕上がった順に作品を壁に貼ってゆきます。時間とともにさまざまなスタイルの作品で壁が埋め尽くされます。その状態は、意図した合作でなくとも、絶妙なバランスでまるで壁全体がひとつの作品のように見えます。
その状態を皆で作ったキャンバスに再現できたらなぁと思い、キャンバスを区切り、直接描きたいメンバーさんは直接、いつもの紙で描きたいメンバーさんはいつもの紙をカットして、「テーマは無し、好きなもの描こう!」と生まれたのが「自由きまま」です。