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「異形の壁目指し」

毎年の事だが、展覧会に絵を飾られる度に、僕のスペースは「異形の壁目指し」となっている様に思う。今まで生きた上での、そして今の「イタミ」をなぞるように描く様になっている。「痕跡としての画面」。まるで記憶を刷り込む様に。この頃、懐かしいと思う事さえある。

とは言っても「一日、一日を刻み込む様に生き」ているのは違いない。僕の周りでこのフレーズについて語った方はいない。健常者といわれる方々には「当然の一日」かも知れないが、僕は一日一日を「息を吸って、吐いて、息を吸って、吐いて」というように「峠越え」をしている。

それは頑張っているとか、怠けて何もしないとか言う以前の「今日一日を生きる」ことが僕の大前提なのである。なので展覧会での僕の絵は、時に観る人に息苦しいかも知れないが、「一人の人間の呼吸」です。僕は「うわべのキレイ」は描かない、他の誰かに任せる。深く入っていくと、素晴らしい表現の沃野が広がっていき、虜になる。容易な道程ではないけれど。

毎年、僕は展覧会で「異形の壁目指し」に向かって対話するのが、とても楽しみなのだ。描き続けていく道程に、こんな風に考える事も、ある意味必然なのだろう。

自分の作品の前に立ち還った。

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