自分の心の病はなってから11年になります。
以前はとても強い薬を大量に飲んでいて生きてるのがやっとの状態で、絵とか芸術とかそんなことを言っていられる状況ではなかったですが、そんな中でもなんとか絵を描く事は辞めずに続けてきました。ここ数年は幸い病状も比較的安定し努力を続けた結果、自分でもまあまあ満足いくような作品が出来るようになりました。
自分のスタイルは水彩画で面相筆で細かく書き込む細密画の形に何故かなってしまいました。水彩画なので描き直しがきかず、下絵で前もって計画を綿密に立てなければなりません。下絵で計画が決まると細部をすこしづつ描いていきます。
そのため描くのに時間がすごく掛かり頑張っても1年に1点か2点くらいしか描けません。
作品『パンの妖精』に描かれている物は自分が普段平日に通っているパン屋の作業所の作業台、ミキサー、カマ等が並んでいる、パン工房です。中央や散りばめられた人物像はパン生地をミキシング後、オーバーナイト法で発行させている夜間、工房にパンの妖精が現れて発酵を完了するという想像を描いた物です。
作業所では時給は安いですが、仕込み、ホイロ、焼成、計量、等をやらせていただき、おかげで仕事に関しても、以前の様には自分が無力であるとは考えず、障害者なりの賢明さがあると自分では思ってます。今は、絵に関しても作業所での仕事、家族、色々な面で自分は恵まれていると思います。絵についても仕事についてもとても骨が折れ、成果は少なく全くお金にはならないです。自分の努力が世の中で頑張っている人たちの背中を少しでも押せるような効果を生み出せたら、、そんなことを夢見て日々を過ごしています。