平成22年以来、3回の入退院を繰り返す。アルコール病棟に入院中、病棟の同僚が〈造形サークル〉に出て、絵や版画、コラージュに取り組んでいる姿や作品を見て、何かに集中することで日々を切り抜けていくことが出来るかも知れない、と参加するようになる。
もともと絵を描くのは苦手なので、〈造形サークル〉のいろいろな人に原図を描いてもらったり、ヒント・提案をもらい、和紙を手彩色してちぎり貼り絵、木綿糸を染めたり、マッチ棒を大量に入手して、一本一本彩色したり、〈造形サークル〉がない日も造形室にこもり、緻密な創作に集中。
院内に飾られたり、次々と“弟子”があらわれたり、いろいろな人に共感、伝播されていくことが、よろこび、励みとなって、たくさんの作品を次々と作り続けた。(安彦 講平)