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「絵を描くという事」

毎回のように絵をどうやって描いたか、とか…。

どういう所に注意をして描いたとか…。

どこがむずかしかったか…。

この絵のなりたちは、どういう風にして生まれたかとか…。

そういういつもの自分とはなれた眼で、絵を描くとはどういう事なのかを考えてみることにしました。

一作品描き終わると安心感はありますが、すぐに次の絵のことで悩んでしまいます。何をどう描いたらいいのかわからなくなって、つらい一時を味あわなければなりません。

そして気が付くと、自分には音楽というものが身近にあるモチーフであることに気がつきます。「よし、音楽をテーマに明るく楽しい絵を描こうと!」となるわけです。今回もいつもにならってそういう絵にしました。自分にとって絵を描くということは、毎食三度食べたり、風呂に入ったり、眠ったりするように、日常の、く、とう、てん、のようなものです。

アトリエに通ったり、アトリエで絵を描いたりすることが自分の日常なのです。だから、一作テーマを決めて、アトリエで絵の具を塗ったりしていることが出来ている時が、一番落ち着いている時なのです。

僕はこれといって、自信めいたものはもっていないので、人に会ったり、おしゃべりをする所もアトリエだけです。現代人ならあたりまえのように、みんながしているスマートホンや車の運転もしませんし、安彦先生や宇野さんが導いてくれなかったなら、今ごろどうなっていたかもわかりません。

アトリエという言葉は、アーチストが作品をつくる所の場所の意味もあるのでしょうけれど、僕の場合は、平川病院のこのアトリエでなくてはならないのです。僕はこれからも、一作でも良い作品が描けるように努力します。

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