これまでの展覧会

作者一覧 心のアート展

「私と絵画について」

私は小・中学校時代から絵画は好きな生徒でした。高校に入り、本格的に油彩画を始めましたが、なかなか良き指導者に恵まれず、すべては「独学」で始めなければなりませんでした。依って、私は独学でこの道を模索するより致し方なく、近くの「書店」に通いつつ、「絵画に関する書物」を漁りつつ、自らの道を切り拓いて行くより他に方法はありませんでした。また高校時代、アルバイトをして自ら「画材一式」を揃えなければなりませんでした。その後から、悪戦苦闘が始まりました。小生どもには、土曜日、日曜日も無く毎日毎日「芸術室」に篭りっぱなしの模索の日々に追われつつ、夜の9時まで絵の制作に没頭する毎日でした。また「イーゼル」を手製で2脚用意し、くる日もくる日も、絵の制作に模索する日々でした。さて、今現在、56歳ですが、今この時期が、最も「いい絵」が描ける時期であると念じています。体力的にも精神的にも今が最も充実して居るのです。40代、50代、60代が絵にとっても、最適なのです。小生ども、やはり「労作」ほど「可愛いい」ものです。やはり、女性が腹を痛め、自分の子供を産むのと全く同様なのでしょう。そして、我が子を慈しむ様に、小生も「労作」ほど愛着の在るもの、作品ほど愛おしいものは、他にはありません。やがて自らの生涯を、「絵画」と言う世界に身を投じ、自らの人生に想いを馳せた時、決して後悔の無い様な人生だった、と言える様な最後に、つまり「後悔した死」を迎えたくは無いのです。小生ども、自らの最後に在って、「いい人生であった」と言える様な生涯の幕を閉じたいと思っています。

 

『THE MELANCHOLIA』 2006年作(未完成作)

この作品は「ゆううつ」と言う作品ですが、実は小生どもの「自己内面」の魂の漂白を表現した作品です。この世のすべての「ゆううつ」の病に悩める人々に贈る作品です。この作品により、少しでも多くの皆さまの「心」が癒されれば幸せに思います。この作品はこう言う趣旨に依るものです。

 

『哀歌 エレジー』 2007年作

この作品は、小生の母が亡くなった時、お葬式の時の母の顔を、じっくりと見つめて自らの眼に焼き付かせて置きつつ、あの時の想いをいつかは絵にしようと心の中に暖めて置いた作品なのです。最愛の母を亡くした時の、母への言わば「レクイエム」なのです。完成までおよそ1年を費やした作品です。それだけに、この絵への想いには「格別」なものがあります。ひとりの女性の波乱に満ちた生涯は、筆舌に耐え得ない程の人生の有様を母の顔が物語って居りました。人間と言う者は亡くなってみて、皮肉にも初めてその人間の存在が様々な評価に値するものなのでしょう。

TOPに戻る