「私は助けてほしい」
絵との出会いは、ずいぶん昔です。保育園の頃、きりんを描いた時に、きれいな光が見えました。
絵が光っていたのを今でも覚えています。まぶしかった、とても。
複雑な家庭で育ち、中学3年の時に、少しずつ自分の精神面が不安定になってきました。それは、教室に入ると、目が回って息苦しくなり…一人でいることが多くなりました。他の授業はさぼって美術の時間だけ出ていました。そして、高校生になって3年間、本格的に引きこもりました。
そこから、記憶は曖昧ですが、テレビをつけた時…ピーテル・ブリューゲルの『バベルの塔』を見て、衝撃を受け、なぜかまた光が降りてきました。「描きたい」という衝動に駆られ、それから絵に没頭する毎日でした。
その後、病状はさらに悪化し、色々な病院に母と一緒に行きました。引越しを機に、一緒に共に生きてきた猫が外に出られるようになり、私も外へ出られるようになりました。その後は、絵から遠ざかっていました。
そして、造形教室に来て、また絵に出会いました。描くことで、矛盾した自分の、どうにもならない気持ちを、苦しみから救い出してほしい。描くことで救われたい。今も恐怖や不安はあるけれど、絵は私の心の支えです。