大好きな人にも裏切られる程辛く寂しい事はないだろう。決して顔には出さないその嘘と歪んだ瞳は、私の心を傷付けた。やがて、それはフラッシュバックと言う心の病に変化し今も私の心を支配している。しかし、それが今の私の絵の表現になっているのではないだろうか。
毎日手を動かし画用紙に絵を描いている。絵?私の絵は、絵なのだろうか。私は、自分の作品を抽象画と呼ばず、抽象模様と呼んでいる。貴方達はどの様に考えるだろうか。模様を描いている時間は、実に穏やかな気分になる。フラッシュバックなど消えて行く。しかし、悪い思い出は、すぐにまた繰り返す。そして、また暗い気分になる。
しかし、一つ喜ぶ事がある。心のアート展に今迄に数回入選した事だ。そして、この様に今回冊子に残された。是は、私が今以上歳をとり死んで骨になり、そして、崩れて行ったとする。しかしその後この冊子は、後世に伝わる文献となり、過去を知る書となるに違いない。そして、後世に生まれ、後世に生きるお前達芸術家は、私が著したこの書や表現などをどの様な形で解釈するかそれが気がかりでならない。