「2年間の休日」
障害者にとって生きるとは何なのでしょう。一般に芸術家やクリエイターと呼ばれる人たちは、常に自分と世間の間に立って物事を見つめる立場にあります。障害者のアーティストにとってもそれは変わりありません。常に自分の最善を尽くすことに身も心も集中することが要求されます。
若い頃の自分は物事を考えることもしないで夢中になって突っ走っていたものです。それがある程度、歳をとって、自分の最善の作品が何かを考えるようになりました。自分がこの展覧会に出すに値する作品は、この2年間まったく描けませんでした。自分でも満足することができない作品を、たくさんの人たちに観ていただくことは自分の心が許しませんでした。だから思い切って休息を取ることにしたのでした。このペン画はほんの走り描きです。今度、作品を作る時は手間も時間もかけて、納得のいくものにしたいと思っています。