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『TRAPPIST-1 Habitable zone e』

遠い宇宙。太陽系から「みずがめ座」の方角約40.5光年の距離に位置する、木星よりわずかに大きい半径しか持たない極小で超低温の赤色矮星、TRAPPIST―1。

それでも、れっきとした恒星であり、数個の惑星を従えて大宇宙の法則に則り、粛々と自転公転を繰り返している。

従える惑星の中でも、この恒星から受ける様々な影響を考慮して生命居住可能領域(Habitable zone)にあるとされる「惑星e」。現在発見されている多くの系外惑星の中でも条件的に「水」の存在する可能性が非常に高く、故に最も地球外生命体のいる可能性があると言われている。

しかしながら、地球とはあまりに違う環境の星。そこはどんな世界だろう。想像は膨らむ。

生命体が居たとして、知的文明が築かれていたとして、だがそれらは我々の姿形とはかなりの異同があるに違いない。

「惑星e」は恒星TRAPPIST―1に常に同じ面を向けて公転している為、星の片側は永遠に夜の世界。もう片側は永遠に昼の世界なのだそうである。そしてその夜の世界と昼の世界の激しい温度差の為に、星の地表には常に大風が吹き荒れているらしい。

恒星との距離は、地球と太陽のそれよりもずっと近いので、まるで空一面を赤色矮星(TRAPPIST―1)が覆いつくさんばかりである。加えて他の惑星もそれぞれ近距離にある為、空には大きな星がいくつもひしめきあって浮かんでいる。赤色矮星は世界のトーンを赤く染め上げる。大気は赤く、植物は黒く。

いささか想像力不足は否めないが、遥けき異世界と、そこに暮らしているかもしれない生命体とを、同じ宇宙の仲間同士としてそっと偲んでみた。

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