おり、囲い、限られた自由。何を見ても、そこを隔てるように「鉄格子」が遮る。
若さも老いも、元気さえも、その「鉄格子」が時を止め、気持ちの動きも無くなり、朝・昼・晩、小さな白い紙に包まれた、薬を飲むことは、障害者だということを常に意識させられる。
自己と他者。その境目。
しかし、病院という「場」が患う者を保護しているようにも思う。
こんなにも、解決のつかない問答を懸命にする。
24歳で精神科に入院。そして今、この様な文章を書くのに、およそ40年の月日が流れた。
答えという扉は、徐々に社会の人や空間が障害者を見守り始め、溶け込むようになってきた事。今の時代に病院で絵を描く、そんな場が見られるようになってきた事が、嬉しい。