今回の作品に至るまでに、3月の雛人形から始まり、季節ごとに7月の七夕、秋のすすきと和紙を染色して型紙に貼り、それらを貼り合わせ一つの“絵に仕上げていく”という工程を繰り返し行ってきました。「Mt.Fuji」は約半年における作品作りの集大成として、それまでの作品の2倍の大きさで多くの日数を掛けて仕上げました。初めは10人程度の小集団でしたが、最終的には20人にまで増え、互いの個性を生かして、各パーツを作成しました。富士の山肌は患者様同士で貼る位置を細かく修正し、雲のやわらかさを表現するために和紙を水でかたどり、立体的に貼り付けていくなど丁寧に工夫されています。
細かな作業が困難な患者様も一緒に参加され、「ふじの山」や「愛国の花」など自然と口ずさむようになり、温かな雰囲気の中で作業療法活動を実施しました。