『怒り、苦悩する鬼』は昔の父親像です。恐怖の対象でもありました。世の中すべてが恐怖でもありました。
『いかつい天使』は今の父親像です。
僕は父親に対して、ずっと前からコンプレックスがあり、いつも束縛されているような気がしていました。
しかし、病気になり、僕が抱いていた父親像とは全く逆になりました。入院していた頃は、毎日病院に来てもらい、毎日僕は泣いていました。やはり、父親がこんなに僕のことを思っていてくれたことを知り、病状がよくなってきて、家族は大切だとわかり、自分勝手な息子だった事を知りました。今は尊敬できる親です。
『視線に恐怖する悪魔』は、自分自身を表しています。今でも、視線恐怖はありますが、少しずつ慣れてきました。しかし、町中を歩いているときに思うことは、自分も他人も人らしく思えなくなる時があります。僕が悪魔を描いている原点です。世の中がもっと人間どうしのつながりを大切にすればなぁ、と思うこの頃です。