これまでの展覧会

テキスト 心のアート展

「創造の源泉」を私は「魂」が呼び合うことだと感じてきました。

私が画家を目指したのは、17歳の時にムンクの作品に出会い、魂を揺さぶられ「自分も絵を描きたい」と心に衝撃を受けたことがきっかけでした。それから今までずーっと「絵で伝えたい」、「絵と出会い、伝えて欲しい」と思いつつ、出かけて行く日々を紡ぐようにして今迄生きて来ることができました。

今回の「心のアート展」の審査でも、皆さんの作品と出会うことを楽しみに一点一点と向かい合いました。そして魂に響く出会いをすることができ、生きることの意義を感じる審査ができました。その思いで第8回「心のアート展」の会場に行くことを楽しみにしています。

現在、ウクライナ戦争が起こり、今も続いています。日本にいると戦争は過去のものだと思っていましたが報道で見る生々しい現実に目が覚めるような思いです。ここで驚きの記事を目にしました。それはベラルーシで生まれ、ウクライナにルーツを持つノーベル賞作家のアレクシェービッチ女子のNHKのインタビューでした。記事の最後に「誰もあなたに耳を傾けようとしない暗い時代がある。声を上げるのをやめたくなる。しかし声を上げなければ悲しみが生まれる。だから声を上げ続けなければならない。」という文章でした。それを見た時、私はウクライナを越えて「心のアート展」に出品している方々の姿勢、絵を描く姿が脳裏に浮かびました。「だから声を上げ続けなければならない」との思いで制作し、出品して来られた。安彦先生を始め、この展覧会を主催、運営する方々も、支援し支える方々も50年の時を重ねてきた歩みの「今」であることに感嘆しました。

これからの時代に一番大切になるのは、作品に出会い、深く人生と重ね合わせることだと思います。その出会いが連なって行く時、「声を上げ続けなければならない」連帯が始まります。殲滅されないように、このような活動の必然があるのではないでしょうか。「心のアート展」は、大変な時だからこそ、魂の連帯としても意味深い展覧会だと感じています。

 

昨年、7月に心筋梗塞で救急車で運ばれ、九死に一生を得ました。その体験から自分が求めていた一番大きなことは絵によって人と人が繋がる、ということでした。そしてそれが自分が画家として生きる使命だということに気が付きました。「声を上げ続けなければならない」という気持ちで縁のある方々と繋がる活動をしていきたいと思っています。

TOPに戻る